重要判例解説(7);最高裁判所平成21年1月19日判決

1 事案
平成4年3月5日,X(原告=反訴被告・控訴人=被控訴人・被上告人)は,本件ビルの地下1階建物部分(以下,「本件店舗部分」)を,期間を平成5年3月4日,使用目的を店舗として,本件ビル所有者であるY(被告・被控訴人・上告人)から賃借して,カラオケ店の経営を始めた。この賃貸借契約は2回更新された後,平成7年3月4日に期間が満了し,更新についての協議が成立しないまま,Xによるカラオケ店営業が継続された。
平成9年2月12日,本件ビル地下1階の浄化槽室排水ピット内の排水用ポンプに制御系統の不良または一時的な故障が生じたことが原因となって,同じく本件ビル地下1階にある本件店舗部分脇にある洗面台の排水管と床面との継ぎ目部分等から汚水が噴き出すなどし,本件店舗部分は床上30~50cm浸水した。
この事故(本件事故)以降,Xは本件店舗部分でのカラオケ店営業が出来なくなった。
Xは,本件店舗部分での営業を再開する目途が立たないっことから,平成10年9月14日,Yの修繕義務不履行などを主張して,営業利益喪失などによる損害賠償を求める訴えを提起した。これに対して,Yは,Yが修繕義務を負っていることを否定し,また,賃貸借契約は解除によって終了しているとして本件店舗部分の明け渡しを求める反訴を提起した。
なお,本件ビルは,本件事故以前,老朽化による大規模改装等の必要はあったものの,直ちにそれらを行わなければ本件ビルの利用に支障が生じるというほどではなく,本件店舗部分も含めて,使用不能状態に陥ってはいなかった。
原審(名古屋高判平成18年10月16日)は,Yによる賃貸借解除の意思表示は無効だとしてY反訴請求を棄却した。そして,X請求については,Xは本件事故の日から本件店舗部分でのカラオケ店営業が出来なかったとして,本件事故の日の1か月後の平成9年3月12日からXが求める損害賠償の終期である平成13年8月11日までの4年5か月間分の営業利益3104万2607円の損害賠償を認めた。

2 判旨
破棄差戻し。
「遅くとも,本件本訴が提起された時点においては,Xがカラオケ店の営業を別の場所で再開する等の損害を回避又は減少させる措置を何ら執ることなく,本件店舗部分における営業利益相当の損害が発生するにまかせて,その損害のすべてについての賠償をYらに請求することは,条理上認められないというべきであり,民法416条1項にいう通常生ずべき損害の解釈上,本件において,Xが上記措置を執ることができたと解される時期以降における上記営業利益相当の損害のすべてについてその賠償をYらに請求することはできないというべきである。」

3 解説
本件判決は,Xが損害の回避・減少措置を取らなかったことを,過失相殺の中で考慮するのではなく,そもそも損害として本件事故との間に相当因果関係が認められるかの問題として考慮したものである。

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