重要判例解説(22);最高裁判所平成20年7月4日判決

1 事案
X(原告・控訴人・上告人)らはコンビニエンス・ストアのフランチャイズ・チェーンの加盟店(フランチャイジー),Y(被告・被控訴人・被上告人)は同フランチャイズ・チェーンを運営する本部(フランチャイザー)である。
Xらは,Yと,本件フランチャイズ・チェーンの加盟店基本契約を締結して,店舗経営を開始した。
同契約では,加盟店経営者とYとは,それぞれ独立の事業者とされていた。加盟店による商品仕入れについては,Yが仕入れ先及び仕入品の推薦をし,発注システムも提供するが,その推薦にとらわれる必要はないとされた。
そして,仕入への代金支払いについては,加盟店経営者が推薦仕入先から本件発注システムによって商品を仕入れた場合は,加盟店経営差に代わってYが仕入れ代金を支払い,オープンアカウントによって決裁が行われるものとされた。
ここにいうオープンアカウントとは,各加盟店ごとに,開業日から本件基本契約に基づく加盟店経営者とYとの間の一切の債権債務の精算に至るまでの間の貸借の内容・経過及び加盟店経営者の義務に属する負担を逐次記帳して明らかにし,一括して借方,貸方の各科目を差引計算して決裁していく継続的計算関係をいう。
原審(東京高判平成19年5月31日)は,Xらを請求を棄却した。

2 判旨
破棄差戻し。
「加盟店経営者が本件発注システムによって商品を仕入れる場合,仕入商品の売買契約は加盟店経営者と推薦仕入先との間に成立し,その代金の支払に関する事務を加盟店経営者がYに委託する」という法律関係にあるから,「本件委託は,準委任(民法656条)の性質を有する」。
もっとも,Yは,仕入代金相当額の費用の前払(民法649条参照)を受けず,支出した費用について支出の日以降オープンアカウントによる決済の時までの利息の償還(同法650条参照)を請求しえず,仕入代金の支払について報酬請求権(商法512条参照)も有しないなど,本件委託には通常の準委任とは異なる「本件特性」が存する。
本件基本契約には,「本件発注システムによる仕入代金の支払に関するYから加盟店経営者への報告については何らの定めがない」が,「商品の仕入れは,加盟店の経営の根幹を成すもの」であるところ,「加盟店経営者は,Yとは独立の事業者であって,自らが支払義務を負う仕入先に対する代金の支払をYに委託しているのであるから,仕入代金の支払についてその具体的内容を知りたいと考えるのは当然のこと」である。また,Yは,「Yに集約された情報の範囲内で,本件資料等提供条項によって提供される資料等からは明らかにならない具体的な支払内容を加盟店経営者に報告すること」に大きな困難があるとも考えられない。そうすると,「本件発注システムによる仕入代金の支払に関するYから加盟店経営者への報告について何らの定めがないからといって,委託者である加盟店経営者から請求があった場合に,準委任の性質を有する本件委託について,民法の規定する受任者の報告義務(民法656条,645条)が認められない理由はなく,本件基本契約の合理的解釈としては,本件特性があるためにYは本件報告をする義務を負わないものと解されない限り,Yは本件報告をする義務を免れない」。 

3 解説
本件判決は,本部が,加盟店経営者に対して,推薦仕入先への支払金額などについての報告義務を負うかについて,義務を肯定したものである。
本部と加盟店経営者の関係(本件委託)が準委任類似のものと解されることを根拠として上記の義務を認めているが,本件委託に通常の準委託と異なる点(本件特性)が見られることは裁判所も認めているから,この特性から報告義務を負担しないと解することも可能であった。それにもかかわらず義務を肯定したのは,支払の金額や内容を知ることが出来なければ,加盟店には本部の支払が正当か否かを判断できないという点を重視したものとみられる。

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